お久しぶりです。
廃人です。俳人を目指す廃人です。嘘ですただ廃人に安住する廃人です。
特別プロジェクト。
その時私は動いた。
私は落書きをする事が大好きだ。落書きをしない日などない、無意識的なものである。私の友人にはそんな落書き好きばかりなのだけれども。
ただ落書きをしていていいのか。
私の小学生から続く(これからも半永久的に続くであろう)不可解な鉛筆の持ち方によって生み出された、薬指のペンだこをみてふとそんな疑問が生じた。
もし右手が使えなくなるようなことになったらどうするのだろう。私は現実を見ることを放棄するかもしれない。玉川上水に入水ルートは避けねばならない。
左手。そうだ、左手。
日本史の授業時間を犠牲にしてまで私は左手で文字や絵を書く練習をしてきたではないか。
あの時はそれなりに書けるようになった。
今再び、

…………………。
何だ、この性根の悪そうな少年は。
「四捨五入って知ってる?」
などと聞いてきそうだ。
腹が立つ。
「あぁ!四から下が性悪で五から先は善人っていう考えか!大丈夫知ってるよ!君は四だからギリギリ切り捨て御免☆」
切り捨てて清々したところで、まだ私はすっきりしない。
富弘さんの描かれた美しい植物とそれに添えられた倫理的道徳的なお言葉。私の使っているクリアファイルである。そんな美しいファイルに何を入れているかというと、私の右手によって汚されたB5のコピー用紙の山。落書き精神の絞りかすである。見事なカモフラージュと言うわけだ。生き物はこうして自分を守る。
それはそうと、この富弘氏はすごい。口で筆を持ち絵を描いておられる。
私はそれがどんなに大変なことか、あれほど繊細に描けるようになるまでどれほど時間がかかったか、実感というものがまるでなかった。それもそのはずだ。経験なしにして実感などあるわけがない。
鉛筆にティッシュペーパーをまき、口にくわえて描いた。
恐ろしい。この無機質な顔、輪郭、手、全てが恐ろしい。戦慄が走る。
私はコイツを知っている。
ゲームセンターにあるゾンビを弾丸で殺戮するゲーム。私の大好きなゲームである。様々なゾンビがいる。小さい者、大きいもの、痩せている者、太っている者。
これは、太っているゾンビ。あの太っているゾンビに似ているではないか。
恐ろしさの根元をつかめた。
ゾンビを弾丸で撃ちまくり時にはダイナマイトを投げつけ殺戮しまくる、動く地獄絵図である。些か暴力的だと感じる方もあるだろう。
「暴力的なゲームをすると暴力的になる」
稚拙な理論だ。
美少女ゲームをしたら美少女になるし、動物育成ゲームをしたら動物になる。
そんなことは残念ながらない。知らないだけでどこかの誰かが美少女になったり動物になったりしているかもしれないが、まず、無い。
この理論が正しいとすれば、私などとうの昔にゾンビ軍の一員である。
ゾンビにも人間であった時があり、こうして家族や友人、恋人と暖かく笑い合ってたり、人の痛みを悲しんだりしていた時があったと思うと、ただ殺戮を楽しみ己の身を案ずるだけでは非人道的ではないかという考えが浮かぶ。
私はレクイエムを、彼らに安息を、と念じ、周りの喧騒の中緩みきった引き金を引く。
次からそうして己のキャラ設定をしつつあのゲームを楽しみたい。
度重なる脱線申し訳ない。運転手は脱線が得意なのだ。
次はまぁ、これといって普通だ。
右ひじに鉛筆をはさみ、絵を描いた。
どう見てもこの人は偽善者である。偽善者ですらない、悪者である。詐欺師である。自己中心的な最悪な下劣な考えの持ち主であり、最も関係を持ちたくない人間である。消えてしまえ。
「あの……シャーペンの芯持ってませんか?すみません、忘れてしまって、あ、ありがとうございます!」
いい人じゃないか。
きちんとお礼の言える人間に悪い人はいない。
人を見た目で判断し、違った場合、どんなに我が愚考を恥じても慰められず自分自身を戒めることになるかの、良い例がついさっきまでの私である。
正常の思考範囲で考え、残された部位は僅かである。
鼻の穴や尻といった小学生的愚かで下品な発想を実行することは、今後の私の人間関係に支障を来す予感がしたからやめておいた。
私は二重にはいていた右足の靴下を脱ぎ捨てた。
足で描いた自画像である。ダ・ヴィンチなどが足で描けばそれは世界ツアーで各国を巡るような名画になっただろうが、山奥の不勉強な卒業目前高校三年生が描いたこれは、目も当てられない。歴史に残るどころか積極的に私の歴史から消し去りたい。一連の行動を全て。
私は息詰まっていたのだろう。だが、冷静に考えた結果だ。受け止めるしかない。理性のもとの行動である。私は横髪を払いのけた。
もうおわかりだろう。
耳で描いた自画像である。唖然とするしかない。開いた口がふさがらないとはまさにこのこと。耳に鉛筆をつっこんだ。何か新しい変態の扉を開きかけたので危険を感じ、早急に耳から鉛筆を抜いた。危なかった。耳に鉛筆をつっこむと背筋がゾクゾクする事が判明した。
読んでくれた方には感謝と謝罪の意でいっぱいだ。だが、これらを描く私の姿を想像しては決していけない。